社会人ゲーマー/オンライン座談会

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社会人ゲーマー/オンライン座談会

ゲームとは趣味であり、
自らを形づくる一部であり、活力の源、
そして、生涯のパートナーである。

[参加者]

田中 遥さん

  • 所属会社名:大日本印刷株式会社(DNP)
  • 所属チーム名:Ichigaya Gaming Lab(イチガヤ ゲーミング ラボ)
  • 得意なタイトル:デジタルカードゲーム(Shadowverse)

有馬 和宏さん

  • 所属会社名:富士通エフ・オー・エム株式会社
  • 所属チーム名:富士通eSports部(FJ eSports)
  • 得意なタイトル:格闘ゲーム(ストリートファイターV、鉄拳7)

金 基憲さん

  • 所属会社名:NTT東日本
  • 所属チーム名:TERA HORNS(テラホーンズ)
  • 得意なタイトル:FPSなど

いつもゲームと共に

それぞれのゲーム歴についてお聞かせください。
有馬/
私はファミコンの頃から始めて、高橋名人に憧れて連射の練習をするような少年でした。中学の時に「ストリートファイターⅡ」で格闘ゲームにハマり、ゲームセンター通いが本格化、ひたすら対戦台にお金をつぎ込む毎日でした。現在は、「ストリートファイターⅤ」「スプラトゥーン2」「鉄拳7」などの最新ゲームで遊ぶ日々を送っています。
田中/
小さい頃、ファミコンを買ってもらえなかったこともあり、中学が寮生活だったので、任天堂のゲームボーイアドバンスなどの携帯ゲームを購入し、友人と楽しんでいたのが最初です。大学に入ってPCのオンラインゲームを始め、大学4年からはゼミのゲーム仲間の誘いでFPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)にハマり、帰宅すると、ゲーム仲間とスカイプを繋ぎながらシューティングゲームを深夜までやり、また大学へ行く毎日を過ごしていました。社会人になると、深夜の対戦は業務に支障が出るため、少しずつ据え置きゲームから離れ、スマホのソーシャルゲームで「Shadowverse」や「モンスターストライク」などをしながら、現在に至っています。
 金/
ゲームは4歳頃からで、スーパーファミコンにハマり、「ドンキーコング」や「スーパーマリオ」といった任天堂タイトルを兄弟と一緒にプレイしていました。私の家はルールが厳しく、1日30分と決められた時間をオーバーすると、ゲーム機をよく取り上げられていました(笑)。学生時代は体育会系の部活に入り、ゼミなども忙しくしていましたが、いつもゲームが傍らにある生活を送っていました。社会人になって周囲にプレイヤーがいなくなった時は、全くゲームをしたことがない同期にその素晴らしさを説き、一緒に遊んでもらいました(笑)。今は仕事でもeスポーツにも関わっており、NTTe-Sportsの立ち上げにも携わりました。
田中遥さん

田中遥さん

田中遥さん2
金基憲さん

金基憲さん

金基憲さん2

ゲーム体験がもたらすもの

ゲームの良さとは、どのようなところにあるのでしょう?
有馬/
ゲームは多種多様で、ドラマチックなゲームは映画や長編小説を見終わった後のような感慨深さがあり、対戦ゲームには強敵に勝ってランクが上がった時の喜びや、切磋琢磨が実を結んだ時の充実感があります。当然、負ける悔しさもありますが、ゲーム一つで多様な体験が可能です。会社でもeスポーツ部に関わっていますが、普段の仕事では知り合うことのないグループ会社の人たちと交流でき、一緒にチームで大会に出場し、同じ目標を共有する体験ができるのは貴重だと思います。
田中/
スマホゲームは、空き時間を使って世界中の人と対戦できるし、時間を有効に使って有意義な体験が得られます。オンラインゲームのハイエンドコンテンツにハマっていたことで、ゲーム内のリーダー役を務めたり、新しいダンジョンに挑む際のプランづくりを担ったり、人の布陣を指示したり、ゲームで培われた経験や能力が、プロジェクトマネージャーの仕事などに活かされていると思います。
 金/
オンラインゲームで知り合った人たちと趣味のコミュニティを持っていることが、日々を楽しく過ごす上でとても役立っています。社会人になると、会社が主な居場所になりますが、ゲームの中で助け合ったり、励まし合ったりする仲間がいることは、生活にメリハリを与えてくれます。会社でも、普段の行動圏内で築いた関係に加え、eスポーツのネットワークがあると、経営企画部の金ではなく、テラホーンズ(NTT東日本のeスポーツチーム)の金として仕事の話が舞い込むということもあって、いろいろなかたちでいい影響を感じています。また、ゲームに触れていると、自然と情報機器や配信・ビデオ通話アプリのノウハウなどにも明るくなります。これらも、ニューノーマル時代に何かと役立つスキルですね。

ゲームを通じて成長したこととは?

ゲームから得たものとして、どのようなことがありますか?
有馬/
みんなで同じ目標に向かうプロセスにおいて、役割分担や作戦、工夫などを通じてコミュニケーション能力協調性が養われるし、直面する課題をどう解決し、勝利していくかという部分では、考える力が求められる。なので、普段の仕事以外で、そういう機会が得られる点は、一概にただの遊びといえない部分が大きいと思います。
田中/
ゲームにはシステム的な要素があって、論理的に思考しながら最適化された行動を心がけるクセがつきます。その意味では、思考を論理的に組み立てていく力、ある事象に対して適切な行動を取る力、対象となる物事を把握し理解する力が成長すると思います。
有馬/
それと、リーダーシップですね。会社でリーダー役として立ち回る場合に、自分が先陣として、みんなを引っ張り、同じ目標に向かっていくところでも、ゲームを通じて培った部分はありますね。
 金/
オンライン対応のゲームでは、1日に何人もの人と初めて会いますが、そういう人たちと3~4時間、共通の目的のために戦うこともあるので、協調性コミュニケーション能力はかなり鍛えられます。いろいろな人と会う中で多様な価値観を受け止める度量もできたし、自分の属さない社会、世代情報についても見聞が広がりました。上も下もいる幅広い年代の方々の中で教えたり、教えられたりする経験からは、伝え方などの学びが多くありましたね。
有馬和宏さん

有馬和宏さん

有馬和宏さん2
有馬さん/田中さん/金さん

ゲームとは、いかなる存在か?

ご自身にとって、ゲームとはどのようなものでしょうか?また、ゲームとの向き合い方についてメッセージをお願いします。
有馬/
趣味を超えて、自分を形づくるアイデンティティの一部ともいえます。eスポーツ市場も盛り上がって、今後はプロゲーマーやイベンターなど、職業としても定着していくと思います。ゲームと向き合うには、まず楽しむこと。それが大切です。程よい距離感で付き合いながら、仲間と一緒に楽しむのもいいし、隙間時間に楽しむのもいい。ゲームの良さは、プレステなどの専用機で大作をじっくり遊ぶこともできれば、スマホ一つで気軽に楽しむことも可能なところです。それで生活に彩りができればいいし、そこからさらに一歩踏み込むのもいい。とにかく楽しんでほしい。
田中/
私にとっては、実力を試したり、自己研鑽したりする、ある種の格闘道場的な存在。日常の中で達成感を得ながら楽しめる素晴らしいパートナーであり、人生においてゲームを楽しむなら、ぜひとも一緒に楽しめる仲間を見つけてほしいと思います。共通の目的を持った人と楽しむことで、ゲームがもたらしてくれるものはより大きくなると思います。
 金/
仲間を見つけるというのは、「楽しく」「継続して」ゲームをプレイするために、とても大事ですね。
私にとってゲームは人生の活力であり、プライベートと仕事を豊かにしてくれる存在です。昨今、国体での採用も然り、学生大会や企業対抗戦など、eスポーツを通じた活躍の機会が急速に増えています。私の周囲にも「昔からゲームが好きだったが、今は個人の趣味程度」といった社会人が大勢いますが、そういう方が会社を背負って戦えるような活躍の舞台がどんどん創られています。このような動きは、今後も小中学生やシニア層などにさらなる広がりをみせ、ゲームを生涯の趣味にできる環境が発展的に醸成されていくと思います。こういったポジティブな環境の変化もあるので、ゲーム・eスポーツに興味や関心がある方は、タイミングを気にせず、ぜひ一度、体験して欲しいと思います。